不動産を探していると、「事故物件」について耳にすることもあるかと思います。特に、どんなケースで告知が必要なのかについては、2021年に国土交通省がガイドラインを出し、整理されました。今回の記事では、その内容を中心に、事故物件の告知義務のポイントをわかりやすく解説します。
1. 国土交通省ガイドラインの基本方針とは?
2021年に策定された「死の告知に関するガイドライン」は、主に次の点を基本方針としています:
- 日常生活の中で自然な死の場合:原則、告知義務がない。
- 事故や事件が発生した場合:告知が必要。
- 入居者に心理的影響を与える可能性があるか:具体的に検討して判断する。
このガイドラインの目的は、物件を購入・賃貸する際に、お客様が安心して判断できるようにすることです。
2. ガイドラインで告知が不要とされるケース
事故物件の告知義務について、これまで曖昧だった部分がこのガイドラインで明確化されました。以下に、告知が不要なケースを挙げます:
- 自然死:入居者が年齢や体調の理由で自宅で自然死した場合には、告知義務はありません。
- 日常生活の中での不慮の死:誤って転倒した場合や誤嚥(食べ物を喉に詰まらせてしまった事故)による死亡も、告知が不要とされています。
これらのケースでは、亡くなったこと自体が物件に影響を与えるリスクが低いと判断されているため、告知義務がないのです。もちろん、これらが心理的にどうしても気になる方もいるかと思いますが、法律上は伝える義務がないため、確認が難しい場合もあります。
3. ガイドラインで告知が必要なケース
一方で、ガイドラインで告知が必要とされるケースもあります。これらのケースでは、入居者にとって大きな心理的負担を与える可能性があると考えられるため、事前の告知が必要です。
- 事件性がある場合:過去に暴力や犯罪によって亡くなった人がいる場合
- 事故による死亡:火災、ガス漏れなどによる死亡事故の場合
- 特殊な事情がある場合:例えば長期間遺体が発見されなかった場合や、事件現場となったことが公に報道されるなどして、心理的な影響が大きいと考えられる場合
これらのケースでは、不動産会社や貸主が事前に告知することが義務付けられています。告知するタイミングや範囲についても、このガイドラインによって明確化されており、これにより物件を探す際の不安を軽減する一助となっています。
4. 事故物件とガイドライン:賢く安心して物件を選ぶためのポイント
事故物件かどうかを心配せず、納得した上で物件を選ぶために、以下のポイントも意識しておくとよいでしょう。
- 内見時の確認:内見の際には、部屋の状態を確認し、不明点は不動産会社に尋ねましょう。気になる点があれば事前に担当者に確認することで、安心して入居を決定できます。
- 地域のリサーチ:物件が所在する地域や周辺の環境もリサーチしてみましょう。事故物件であることは告知されていなくても、地域の雰囲気や過去の出来事を知ることで、より安心して物件を選ぶことができます。
- 信頼できる不動産会社選び:物件情報について詳しく説明してくれる不動産会社を選ぶことで、不安を解消しやすくなります。信頼関係を築ける不動産会社であれば、心理的な不安を抱えずに物件探しが可能です。
5. ガイドラインを理解して安心の物件選びを
事故物件の告知に関するガイドラインが策定されたことにより、不動産会社もこれまでより安心して情報提供ができるようになりました。また、お客様としても、事故物件に関する法律を知ることで、物件探しに対する不安が軽減されるかと思います。
もし特に不安がある場合には、信頼できる不動産会社に気軽に質問することをおすすめします。当社も、入居者様の心理的な不安を和らげるため、できる限り丁寧な説明を心がけております。
6. 最後に
事故物件に関する理解を深めることは、不動産を購入・賃貸する際の安心材料となります。国土交通省のガイドラインを参考にしながら、安心して物件探しができるよう、当社もお手伝いさせていただきます。
物件に関する疑問や不安がありましたら、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。